皆さんは、”健康経営”をご存知でしょうか?
健康経営(けんこうけいえい)とは、従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法のこと。その始まりは、アメリカにおいて1992年に出版された「The Healthy Company」の著者で、経営学と心理学の専門家、ロバート・H・ローゼン(Robert H. Rosen)が提唱したことによるとされている。
(wikipediaより)
現在、経済産業省で認定の推進を行っています。
『働き方改革』の一貫でもあります。
※経済産業省HP「健康経営の推進」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
国が勧めている政策の一つでもあるわけです。
健康経営とは?
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
※経済産業省HP:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
上記にも謳っていますが、「従業員さんの健康も企業の大切な取り組みの一つとして実践しよう!」ということ。
確かに、、、
従業員さんが心身ともに健康で、イキイキと働いてくれて、職場の雰囲気も良かったら、
仕事に対してモチベーションあげて取り組んでくれている姿をみたら、経営者さんも「皆んなをもっと幸せにしてあげよう!」と奮起しますよね。
売上も上がり、利益を出して、従業員さんたちにより多く還元出来たら、これまた従業員さんたちは頑張って仕事してくれますよね。
的なことを、国は勧めています。
ここで重要なのは、
健康投資
という言葉。
どうしても従業員の健康というと、『福利厚生』と捉えがちです。
そうではなく、『投資』です。
ご存じの方も多いと思います、「Johnson & Johnson」が、世界250社、約11万4000人に健康教育プログラムを提供し、投資に対するリターンを試算した結果、、、
投資した3倍のリターン効果があった! というわけです。
福利厚生だと、ただの費用として終わってしまいがちですが、
投資することで、その先に大きな期待が出来る、ということ。
従業員さんを大切にすることで、離職率の低下にもつながります。
「そうはいっても、、、辞めちゃうんじゃないか、、、」という声も。。。
ふむ。。。別の要因があるのでは?と考えます。
何か一つではなく、色々な要因が重なり積もり積もって、、、ってことも考えられます。
コミュニケーションが不足している可能性大です。
この件は、別途『キャリアコンサルティングとは?』にて。
メリットとデメリット
国も勧める制度ですから、メリットはあって当然!?です。
もちろん、新たな仕組みを取り入れるということについて、デメリットも少なからずはあります。
メリット・デメリットについて、企業側視点と従業員視点とに分けて挙げてみます。
企業側のメリット
1.生産性向上
「アブセンティーズム(欠勤による損失)」
心身の体調不良による欠勤や休職を未然に防ぐことができれば、結果的に生産性の向上につながります。
「プレゼンティーズム(出勤しているが生産性が下がってしまっていることによる損失)」
一方で、つらくても無理をすれば出社できる程度の不調によって、最善のパフォーマンスを発揮できないプレゼンティズムは非常に大きな問題となっています。
出社しているので企業としては賃金を支払っています。しかし従業員は本来のパフォーマンスを発揮できていないのですから、組織としての生産性は低下しているのです。
生産性を考えるうえでは、プレゼンティズムへの対策はかなり重要な課題となります。
2.企業のイメージアップ
健康経営をしっかりと行っている企業は、「働きやすい」=「ホワイト企業」という印象を与えるので、企業のイメージアップにつながります。
また、イキイキと働く従業員さんと仕事やプライベートで接した人は、企業に対して良い印象を持ち、口コミ・SNSなどによって広まります。
今日では健康経営に対する取り組み姿勢は、企業の良し悪しを判断する重要な材料になっており、採用活動や人材確保にも影響をもたらします。商品やサービスを提供するうえでも、企業イメージは売上に大きく貢献するでしょう。
その他、経済産業省が選定する健康企業銘柄に選ばれた企業の平均株価は上昇する傾向があることも見逃せません。(出典:経済産業省 商務情報政策局「健康経営銘柄について」)
3.医療費の削減
従業員が健康になり病院に行く回数が減ることで、企業が負担する医療費も減ることとなります。
4.融資が受けやすくなる
各協会けんぽ支部によって、協力体制が異なるので確認が必要です。
地域によっては、融資が受けやすくなったり、融資の金利優遇が受けられたりと資金繰りへのプラス要素となります。
従業員側のメリット
1.健康になる
最大のメリットが「健康になる」ということ。
健康経営の施策によって、健康に対する意識づけや、正しい知識を学ぶことができ、生活習慣の改善などにつながるでしょう。
身体も心もバランスよく健康に、そしてライフワークバランスの実現が可能となります。
2.モチベーションUP
最近では、仕事を通して活力を得るという考えや、メンタルヘルス対策をマイナスからゼロに引き上げるだけでなく、より生き生きと生産性の高い状態にしようという考えに基づいた概念の研究が進められています。
ひと昔前?では「仕事=ストレス」ということも言われていました。しかし、仕事を通してイキイキと活力を得ることができると考えられるようになってきています。
心身に多大な負担をかけて辛い思いをして仕事をしている場合よりも、健全な労働環境のもとで仕事をしている方がより高いパフォーマンスを発揮することも出来ます。
この考え方、私自身がSEをしていた頃に出会いたかった、、、と思ってしまいます。
3.会社に誇りを持てる
仕事でしっかり成果は出している。
社内でも、社会的にも認められている。
けれど、現場のメンバーは疲弊していて休職者がたくさんいる。。。
そんな職場、、、イヤです。。。
企業側のデメリット
1.投資効果が見えにくい
成果が必ずしも数字の上下だけで示せるものでもないことが健康経営の難しさでもあります。
例えば、
「休職者数がゼロになった」ということは、一見すると喜ばしいことです。
しかし、実は「休職しにくい雰囲気が蔓延し、今まで休職していた人が退職するように変わっただけ」だったとしたら、良い組織になったとは言い難いのではないでしょうか?
このように、絶対的な数字だけで成果を示すことが難しい点が、健康経営の投資対効果の把握を困難にしています。
数字を出すにも、きちんとした根拠が必要ですし、実際に従業員の皆さんの意見も吸い上げて検証する必要があると思います。
2.コストがかかる
健康経営=投資とはいうものの。。。
実際に費用がかかることは間違いありません。
①労務関連と健康関連のデータの管理
→データ収集と管理。特に個人の健康に関するデータは個人情報としての管理が重要です。
②専門家活用の費用
→産業医、社労士、その他専門家の力が必要です。どうしても費用がかかることは避けられません。
従業員側のデメリット
1.手間・時間がかかる
定期検診、ストレスチェック、アンケートの回収、各種施策への参加などで、本業とは別の時間を使う必要となります。
普段から本業の対応で残業を余儀なくされている状態ですと、それ以上のことは「時間がない」となりかねません。
当然ながら、仕事の割り振りについても見直しが必要となる場合もあります。
2.個人情報提供の不安
職場の人には知られたくない情報が漏れてしまったり、健康情報が理由で昇級できなかったりすることへの抵抗感を持つ人は意外と多いものです。
企業側のデメリットの「2.コストがかかる」にも挙げましたが、企業側が情報の管理方法や共有範囲についてルールを決め、それらを従業員に明示し、安心して従業員が健康経営の取り組みに参加できるような環境作りが必要となります。
健康経営優良法人認定制度
認定制度とは?
まずは、経済産業省HPをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
大きくは以下のような認定基準です。
- 経営理念・方針(経営者の自覚)
アニュアルレポートや統合報告書などによる健康宣言の社内外への発信が求められます。 - 組織体制
健康づくりの責任者を役員以上のポジションが担当し、健保などの保険者と連携して取り組むことが求められます。 - 制度・施策実行
生活習慣病の予防対策やメンタルへルス対策など、17の項目のうち一定基準を満たすことが求められます。具体的な内容としては
・定期検診受診率100%
・受診勧奨の取り組み
・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
などがあります。 - 評価・改善
健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施する必要があります。 - 法令遵守・リスクマネジメント
法令違反や労働災害など安全衛生上の状況について問われます。具体的な内容としては、
・定期検診を実施していること
・保険者による特定健康診査・特定保健指導が実施されていること
・従業員の健康管理に関する法令について重大な違反をしていないこと
などが求められます。
細かい認定基準としては、大企業と中小企業に分かれています。
<大企業>
※健康経営優良法人2019(大規模法人部門)認定基準(PDF形式:KB)
<中小企業>
※健康経営優良法人2019(中小規模法人部門)認定基準(PDF形式:KB)
このように、認定基準項目が決まっています。
これらの項目を実施し「ちゃんとやったよ~」と申請書を提出、
そして、上場会社さんでしたら”経済産業省”と”東京証券取引所”、それ以外は”日本健康会議”において、
「よしよし、頑張ったね!合格!!」と認定されます。
ホワイト企業認定 となるわけです。
(ちなみに、、、ブラック企業マップというものもあり、日本地図上にブラック企業が表示されるというサイトがあります。ここに出てしまうと、、、そりゃ人は集まりませんし、居続けてはくれませんよね(-_-;))
このマークを使用することが出来るようになるわけです。
ハローワークでも掲載されます。名刺へ載せるのもいいですね。
経済産業省HPには、各項目ごとに認定基準の取り組み例も掲載されていますので、参考にされるとよいと思います。
認定されたら「はい、終了」ではない!!
そうなんです。
一度認定されたら、その後ずっと続く、、、わけではありませんっ!!
各項目を継続的に実施していることが大切です。
そのために、申請は毎年必要となるわけです。
この『継続』が、、、ポイントです。
心身の健康は、一回ワークをしたっきりでキープ出来るものではありませんからね。
私がちょーっと懸念していること
私の周りのお勤めの方々に聞いてみたんです。
- 「あなたの会社さん、健康経営認定されたんだね。どんな取り組みしてるの?」
→A.「月一でセミナーがあるよ。栄養管理とか運動生活指導的なものとか。
あと、万歩計アプリで報告しなきゃいけないの。」
→B.「何それ?」
この場合、Aの回答だった会社さんはヨシとしますが、Bは、、、
認定されていること自体が「え?虚偽?」と疑ってしまいます。 - 「あなたの会社さんの親会社さんが認定とったんだね。グループとしてどうなの?」
→A.「そうなの、なんか分からないけど健康に関する部署が出来て、色々課題が出されてるよ」
→B.「そういうことかぁ、、、なんか急に上がうるさくってさ」
→C.「?」
この場合、AはまぁOK。ちょーっと説明が足りない気もします。
Bは企業側が従業員さんにちゃんと説明して前向きに取り組んでいただきたいって思います。
Cは問題外でして。。。
そうなんですよね。
取り組んでおられるはずの会社さんでも、どうも浸透具合に差があるように思います。
せっかくのメリットが活かされることがないままでは導入の意味がありません。
従業員の皆さん一人一人に健康経営についてしっかりと説明があり、意味ある取り組みであるという認識のもと、向き合っていただければと思います。
健康経営取り組みへのお手伝い
色々な会社さんで、健康経営パッケージなどが売り出されています。
保険会社さんも結構メニューを出していらっしゃるようです。
(国税庁から「節税保険」の販売停止とのことで、、、保険屋さんも大変かと思います)
もちろん、健康経営認定に取り組む企業さんが、独自で行うことも可能です。
ご自身たちで項目をクリアしていくことが可能であれば、、、です。
というのも、以下の項目をすべて自分たちだけでクリアしていくのはちょーっと難しいのでは?と思います。
1.従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
(①~④のうち2項目以上)
※健康課題の把握
①定期健診受診率(実質100%)
②受診勧奨の取り組み
③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
※対策の検討
④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定
2.健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント
(⑤~⑧のうち、少なくとも1項目以上)
※ヘルスリテラシーの向上
⑤管理職又は従業員に対する教育機会の設定
※ワークライフバランスの推進
⑥適切な働き方実現に向けた取り組み
※職場の活性化
⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み
※病気の治療と仕事の両立支援
⑧病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み(⑮以外)
3.従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策
(⑨~⑮のうち3項目以上)
※保健指導
⑨保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み
※健康増進・生活習慣病予防対策
⑩食生活の改善に向けた取り組み
⑪運動機会の増進に向けた取り組み
⑫女性の健康保持・増進に向けた取り組み
※感染症予防対策
⑬従業員の感染症予防に向けた取り組み
※過重労働対策
⑭長時間労働者への対応に関する取り組み
※メンタルヘルス対策
⑮メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
各項目、それぞれ専門的な対応が必要となります。
ということで!!
『システム&キャリアコンサルタント』『心理セラピスト』として上記項目のうち、
④健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の設定
⑤管理職又は従業員に対する教育機会の設定
⑥適切な働き方実現に向けた取り組み
⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み
⑭長時間労働者への対応に関する取り組み
⑮メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
について、お手伝いが可能です。
個別お手伝いをご希望の方であれば、当ページの下部にお問い合わせフォームがありますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
また、『日本健康経営株式会社』の健康経営推進ファームにも所属していますので、
「色々分からないから説明して!」
「色々手伝って!」
という方も、お気軽にお問い合わせくださいませ。
健康経営で日本を元気に!!
経営者さま、従業員さまの幸せを一番に考えています。
取り組みに興味をお持ちの方、健康経営認定の会社さんが増えていくことを祈って。。。
~お問い合わせ~
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