こんにちは。
キャリアカウンセラー よこまくかなこ です。
今回は大学科目の『能率』について、学んだこと・感じたことなどなどをupします。
建学の精神
私が学んでいる通信制大学において、マネジメント学習の取っ掛かり、基礎の基礎として学ぶのですが、創立者の言葉が以下のように紹介されています。
本学建学の精神は
マネジメントの思想と理念をきわめ
これを実践の場に移しうる能力を涵養し
もって全人類に降伏と繁栄をもたらす人材を
育成することにある
時流におぼれす 慣習にとらわれず
独断を排し常に真実を求め続ける人間こそ
本学が求めるものである
この見地に立って 本学は単なる学術の
修得のみに終らず 広く世界に目を向け
ほかの意見を尊重し 自分をいつわらない
誠実な人格の形成に努力する
『マネジメントの思想と理念をきわめ』→能率
『実践の場に移しうる能力を涵養し』→実践
『時流におぼれす 慣習にとらわれず 独断を排し常に真実を求めつづけ』→創造性
『広く世界に』→グローバル
『ほかの意見を尊重し 自分をいつわらない』→誠実
となるわけですが、ごもっとも、、、としか言いようがないと思っています。
もっとも、、、抽象的表現ではありますが、あるべき姿を表すとこうなるのだと思います。
ただ、、、事業をしていく中で、どうしてもトップが独断で決めなければならないこともあるかもしれません。
ここでいう「独断を排し」はただ権力を振りかざして自分にのみ都合のよい判断をしない、、、という意味だと捉えています。
能率道場
産業能率大学は第二次世界大戦の真っ只中道場として設立されています。(戦争の悪化で一時閉鎖もありましたが。。。)
「昭和的」と捉える方も少なくないと思いますが、基本といえば基本だな、、、と。
1 | 正坐 | わたしたちは、誓って正しい姿勢を保つようにしよう。正しい内容には正しい形式が必要です。 |
2 | 正食 | わたしたちは、誓って正しい食物をとるようにしよう。肉体をつくり精神を培う原料だから正しい食物をとろう。 |
3 | 正学 | わたしたちは、誓って正しい学問を究めよう。学びはすべからく洋の東西に通じて偏らないようにしよう。 |
4 | 正信 | わたしたちは、誓って正しい信仰(信念)に生きよう。正しい信仰(信念)は正坐・正食・正学より生じます。 |
5 | 正語 | わたしたちは、誓って正しい言葉を遣う。正しい道は、正しいことばによって伝わるものです。 |
※参考:産業能率大学とマネジメント より
上記は現代語で表示したものです。
朝と夜を2時間ずらしてもらえれば、、、と思う私。
何度トライしても、朝方人間になり切れないのです。。。
能率とは?
ようやく本題です。
能率とは無駄を省くことだ!
という方は多いと思います。
そして、
①出来高を増す
②努力奮闘する
③早く作業する
④一時的に成績・成果を上げる
⑤性能が高い
といったことを思い浮かべる方が大半ではないかと思います。
人間の限界を超える早さで仕事をさせること、、、と思っている経営者さん・管理者さん、いらっしゃいませんか?
もちろん、売上を上げて利益を出さないと会社は存続できませんから、上記5つを実現したいと願う方も多いと思います。
ごもっとも。
ですが、、、
省くものは「無駄」だけではありません。
上記図にあるように、曲線=目的を達成するための手段 として見たときに、無駄と同じくそこには「無理」も生じています。
この無理もあわせて排除していくようにせねばなりません。
無駄排除ばかりで無理を強いていたら、、従業員のモチベーションは下がり、挙句の果てには辞めていくことにもつながります。
端的に言うと、ムダ=80%しか力が出ていない状態で、ムリ=120%で働こうとしている状態です。
実力をつけるために、120%、150%で頑張るというのは私はokだと思います。自分は無理して力をつけてきたタイプです。
ここでいう120%は自らが進んではなく、会社に無理やりやらされてる、、、といった状態かと思います。
完全に無駄と無理を失くすことは難しいと思います。
だから「能率は実現出来ない」というのではありません。
創立者は
目的を達成するために、どういう手段を考え出せば十二分に目的を達成することができるのか、これを考えるのが能率である
と言っています。
「目的と手段のつり合い」ということは、
・一方に片寄らず平衡をえている
・時間的には甚だしい変動がなく平静を保っている
というのが能率という言葉の意味としています。
これをご覧くださっている皆様が「ムダをせずムリをさせる経営者・管理者」ではないことを信じて。。。
従業員の立場の方も、サボることを良しとするのではなく、ご自身が愉快に仕事に向き合えているか振り返ってみてください。
以下に能率の要諦を10箇条にまとめたものを載せておきます。
能率10訓
- どんな活動をするときにも、その目的と目標を明らかにし、まずこれを確立する。目的・目標のはっきりしないときには、活動がいい加減になる。
- その目的・目標を達成するために、もっとも適合した手段を選んで、これを実行に移す。
- もし、その手段が目的・目標に適藤していないと、ムダやムリが生まれる。
- ヒト・モノ・カネをはじめ、時間も空間もこれを十分に活用できるような目的のために努力をする。これらの活用が正しくないときにもまたムダやムリが生まれる。
- ムラとムリとは、その性質は相反していて、世の中にムラを作り出すもとになる。
- ムラがひどくなると大きな問題を引き起こす。常にムダを省き、ムリを除いて、ムラを少なくすることに努める。これを怠ると社会は不安になる。
- 能率とは、ムラを減らして、すべてのヒトとモノとカネが活かされている状態のことをいう。
- すべてのもの(ヒト・モノ・カネ・時間・空間)を活かすものは活かされ、殺すものは殺される。
- 人生すべての活動が、この能率の主旨に基づいて行われなければ、社会は安定せず、人類は幸福になれない。
- そのためには、個人も家庭も企業・その他団体も、その活動を能率的に運営することが必要である。
まとめ
経営学論などにも通ずるものですが、基本としてはやはり「人」が大切であり、人々の幸せのために”能率”という考え方を取り入れるというのがススメだと思います。
そう思うと、、、
こちら、伊那食品工業の会長・塚越寛さんの企業家精神がしっくりくるなぁと感じます。
技術的なものはどんどん新しいものが出てくるでしょうし、開発にかかるお金もスピードも情報も目まぐるしく廻るような時代であっても、人間の心というのは根本は変わらないのではないか、ということ。
謙虚な態度で、相手も自分も尊重し、よりよい道を共に作り上げていく、、という姿勢。
「古いよ~」
と思われるかもしれませんが、人の心は大切にしていきたいと改めて思います。
新しい技術、AIなどにはない人間の心ですね。
どんなにデータを積み上げても、まったく同じ心は出来ませんから。
その人それぞれの生まれた状況、親との関係、友達・先生たちとの関係、社会情勢、、、色々な要因があっての心です。
論理的なことを学びながらも、やはり心理学は切っても切れない学問であることを実感しました。