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キャリアカウンセリング各理論家_L・サニー・ハンセン

こんにちは。
システム&キャリアコンサルタントの よこまくかなこ です。

ハンセン先生です。
個人的に最も好きな理論でもあります。
なんとなく、、、今の時代にあっているように思うのです。

当ページ下部に「ハンセン」に関する過去問からの参考問題を記載しています。
よろしければご活用ください。

L・サニー・ハンセン

ハンセンの理論は「Integrative Life Planning(統合的ライフプランニング)」です。
比較的新しい理論であり、この理論を活用したキャリアカウンセリングの構築も
まだされているとはいえません。

とはいえ、私としては、ライフワークバランスとしても
非常に大切な理論なのでは?と思っています。

ハンセンは次のように述べています。

キャリアプランニングや人生計画に関しては、パラダイムシフトが必要だと考えています。もちろn、人と職業の出会いに関する従来の論理的で理性的な方法は今後もなくなることはないでしょう。

しかし、国のレベルでも世界のレベルでも、労働や家族、教育、人口分布、あらゆる状況における男女の役割や関係などが社会の中で激変えを遂げているので、キャリア指導の専門家はクライエントの人生における複雑な選択や、意思決定を支援する新しい方法を探さなければなりません。また、環境問題や人権、多元的な文化、暴力など、各国が直面している問題は、キャリアプランニングにも新しい基本的な考え方を求めています。

今後は自分の満足や生計のための個人的な職業選択だけに焦点を当てるのではなく、意味ある人生のため、つまり自分にも社会にも役に立つ仕事をするために、一生に何度も選択をしていくといことが重視されるようになるでしょう。(Hansen,1997)

ごもっとも。。。と思います。いかがでしょう?
高度成長期の状態の感覚のままで居座っている人たちには
到底気づくことの出来ないことかもしれません。
しかし、実際に時代は変化しています。
キャリアプランニングの在り方も変化のときであると強く思います。

キルト

ハンセンは人生の役割の組み合わせを”キルト(パッチワーク)”に例えています。
以下の図がそうです。

労働=仕事
愛=家庭と子育て
学習=公式および非公式な教育
余暇=仕事以外に従事する活動

キルトに表現することで、つなぎ合わせればいくらでも広がり、その組み合わせは
作り手にとって意味を持ち、2つとして同じものはないということが言えます。

統合的ライフプランニングの6つの重要な課題(実は7つ)

  1. グローバルな視点から仕事を探す
    ・地球規模で必要とされている非常に重要なこと、どうすれば仕事を通して自分自身の
    ニーズを満たせるか、どのように社会や世界の問題やニーズを解決する援助ができるか
    各人が考える必要があります。
  2. 人生を意味のある全体の中に織り込む 
    ・職業選択においては、人生の複数の役割と職業をどう組み合わせることが
    できるかを考えるべき、とハンセンは述べています。キャリア支援の際は、仕事の選択だけではなく、クライエントの社会的・知的・
    身体的・スピリチュアル的・情緒的・職業的の統合についても支援が大切と言っています。
  3. 家族と仕事をつなぐ
    ・家庭の中で、男性と女性が共同でキャリアプランニングを行る必要あると強調しています。
    伝統的な男女の役割は大きく変化し、さらに今後も変化し続けると思われます。
    家事分担をどうするのか、の検討も必須です。
    どのような未来を創造したいのか、という視点も効果的です。
  4. 多元性と包括性に価値をおく
    ・グローバル社会は、人種・民族的背景・社会経済階級・宗教・
    年齢・性別・身体的能力・性的嗜好など様々な面で互いに異なる人々を
    含んでいます。
    この多様性を忌むのではんかう重んじるべきであり、キャリアプランニングも
    このような違いをすべて包括する道を探るべきと述べています。キャリアカウンセラーが文化的感受性を高めるための8つの項目があります。
    ①自己認識を高める
    ②違いに価値をおく
    ③自分が属していない文化についての知識を増やす
    ④文化的に違う人々のキャリアデベロップメントの阻害要因についての知識を増やす
    ⑤他の文化にどっぷりと漬かる機会を見つける
    ⑥異文化交流のスキルを開発する
    ⑦統合へ向けた仕事をする
    ⑧社会変化のために仕事をする
  5. スピリチュアリティと人生の目的を探求する
    ・「自己の外側のより高次元の力の存在」をスピリチュアリティと定義しています。
    仕事を通して貢献する、仕事を通じて内面的な意義を見出すという考え方を
    とりあげるべきとハンセンは述べています。
  6. 個人の転機と組織の変化のマネジメント
    ・これからの社会には、今以上に激しい環境変化が待っているため、
    終身雇用のような概念はすでに過去のものと考え、各個人が自分自身の人生の変化に
    対処する術をしることが必要となります。組織構造の変化や、それに対応する上での
    働き方の変化についても提唱しています。組織は、お金や昇進昇格などの外的インセンティブによって優秀な個人を引きとめ、
    やる気を支えるということは出来なくなり、新たな心理的契約が必要となります。
    これはビジョンの共有と相互利益の契約といえます。
    経営トップは古いキャリアの考え方にとらわれず、従業員の人間的側面への配慮や、
    キャリアに対する総合的視点を持ち、組織の健全性を向上させる必要があります。
  7. 健康
    ・心や体の健康に注意を向けることは総合的な発達に重要です。
    働くということと健康は互いに影響しあう関係です。

理論の適用

この”統合的ライフプランニング”の理論の活用についてです。

大学

・学生とマンツーマンでかかわる場合は、職業選択の際に考慮すべきこととして6つの課題を挙げる。
・転機の対処プロセスを教える(シュロスバーグのモデルを活用する)

企業

・若い社員や新入社員に、転機を企業と従業員の両方の立場から理解できるよう援助し、
古い世代とは違い、従業員は一生を通じて自分のキャリアに対して責任を
持たなければならないことを理解してもらう。
・職場の管理監督者に「人は仕事と人生におけるそのほかの役割や家族のニーズ、
目標などを統合し、仕事を通して意義を見出すことができなくてはならない」ということを
理解してもらう。

かなこ
たくさんの働く大人たちに知ってもらいたい、意識してもらいたいと願う理論です。
(あくまでも個人的意見です)
だって、もう高度成長期ではないんですもん。。。

おまけ

ハンセン(Hansen, L. S.)の理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

a. ライフ・キャリア・レインボーの考え方を提唱した。
b. 統合的生涯設計(ILP:Integrative Life Planning)という概念を提唱した。
c. 職業適合性(vocational fitness)の概念を提唱した。
d. キャリア・カウンセリングにおける学習理論(LTCC:The Learning Theory of CareerCounseling)を提唱した。
 (正解:b (11-9))

②ハンセン(Hansen, L. S.)が提唱した統合的人生設計における6つの人生課題に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

a. 多元性と包括性を大切にする。
b. 家庭と仕事を切り分ける。
c. 個人の転機と組織の変革にともに対処する。
d. 人生を意味ある全体像のなかに織り込む。
 (正解:b (14-7))
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