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キャリアカウンセリング各理論家_エドガー・H・シャイン

こんにちは。
システム&キャリアコンサルタントの よこまくかなこ です。

さて、シャイン先生。
私がキャリアカウンセラーとちょいう仕事を知ったのも、それがどういった仕事なのかも、
最初シャイン先生の本がスタートでした。

企業に対するキャリアカウンセリングの導入を外部の立場から勧めていきたいと考える私にとって
非常に分かりやすく、納得できるものも多く、時間があればシャイン先生の本を読んでいます。

当ページ下部に「シャイン」に関する過去問からの参考問題を記載しています。
よろしければご活用ください。

エドガー・H・シャイン

キャリア開発の視点の本質は、時の経過に伴う個人と組織の相互作用に焦点があることにある

シャインは『組織心理学』という分野を開拓しました。
『組織』と『個人』の相互作用という視点で構築された理論です。

かなこ
他の理論は「個人」に焦点をあてることが多かったですよね。
そして重要なのは、組織と個人の関連はどの企業でも存在する関係性です。
どちらが優位というわけではなく、並列でそれぞれの側からキャリアを考えるという点です。

早速みていきましょう。

内的キャリアと外的キャリア

内的キャリア=主観的側面→履歴書・職務経歴書などに端的にあらわされる、その人が経験してきた仕事の内容や実績、組織の地位など
外的キャリア=客観的側面→経験の内側にあり、仕事に対する同期や意味づけ、満たされた価値観といった心理的状態

組織内キャリアモデル_キャリアコーン(外的キャリア)

図が少々小さくて申し訳ございません。

”円錐”(コーン)の形を使って、組織内のキャリアモデルを表しています。

円の部分には各種部署(職能)があります。それらの部署内でも、円の中止に向かうと「中心的人物」となります。
そして上へ向かっていくのは階層です。主任、係長、部長、、、のような。

キャリアサイクル(内的キャリア)

加齢に伴う変化の類似性をいくつかの段階に区分し、それぞれの段階を特徴づける課題として記述しています。
ポイントは「7」です!
マネジメント層になるのか、専門家になるのか?で内容が変化します。

成長・空想・探求 0~21歳 現実的な職業選択のための基準をつくる。
教育・訓練を受ける。など
仕事の世界へのエントリー 16~25歳 初めての仕事に就く。実行可能な心理的契約を結ぶ。
組織ないし職業のメンバーになる
基本訓練 16~25歳 現実を知ってショックに対処する。出来るだけ早く戦力になる
仕事の日課に適応する。正規のメンバーとして認められる
キャリア初期の正社員 17~30歳 責任を引き受け、職務を首尾よくこなす。
特殊技術や専門知識を開発する
独立を求める自己と従属させる会社の欲求を調和させる。残るか去るか
正社員資格、キャリア中期 25歳以降 専門を選ぶ。あるいはマネージャーになる方向に向かう。
明確なアイデンティティを確立する。など
キャリア中期の危機 35~45歳 キャリアを変えるかどうかを決める。夢・希望対現実生活全体における
キャリアの重要性を決める。など
非指導者役にあるキャリア後期 40歳から引退まで 助言者になる。技術を深める。マネジメントになると決めたら、より広範な責任を引き受ける。
現状維持で仕事以外に成長を求めるのなら、影響力ややりがいの減少を受け入れる。
指導者役にあるキャリア後期 組織の長期的繁栄に貢献する。広く影響を及ぼす。
部下を選抜し開発する。社会における組織の評価を行う。など
衰え及び離脱 権力、責任の低下を受け入れる。新しい役割を受け入れ開発する。
仕事が主でない生活を送れるようになる。
引退 ライフスタイル、役割、生活水準の劇的な変化に適応する。
蓄積した自分の経験と知恵を他者のために使う。
心理的契約

上記表の2にある「心理的契約」について説明します。

一般的にキャリア初期において、個人も組織もお互いの価値観が一致し共にビジョンに向けて肩を組んで歩いていけれるか?というのは分かりません。
この初期段階において、個人も組織もお互いを理解し受容しあうお試し期間といえます。”お互い”です。どちらか一方ではありません。

そしてこのお試し期間を経てめでたく両者合意となった状態のことを経営学で「心理的契約」と呼んでいます。
契約書があるわけでもなく、目に見えるもので約束を取り交わしているわけではありません。
よって、例えば個人が「ちょっと無理かも」と思えば、さぼったり手を抜いたりといったことにも繋がりますし、
組織が「こいつはダメだ」なんて判断したら、異動・降格・解雇などにもなりかねません。

この”契約”について、シャインは動的であるといっています。一度契約したらそれで終わりという静的ではないということです。

個人からすると、経験や年齢など重ね、また環境変化なども相まって、新人のときとは組織に求めるものも変わってきます。
組織からすると、社会情勢や経営状態によって、個々に求めることも変化します。

そういった点からも、個人の役割が変化したとき(昇格・昇進)などのタイミングで、
組織との心理的契約の再調整が必要であると考えられます。

キャリアアンカー

まずはキャリアアンカーの診断をお試しください♪

キャリアアンカーは、経験を重ね職業上の自己イメージを確立していきます。
以下の要素が複合的に組み合わせ合っていると考えられています。

①自覚された才能と能力
⇒様々な仕事環境での実際の成功に基づく
『自分は何が得意か?』
②自覚された動機と欲求
⇒現実場面での自己診断の諸機会、他者からのフィードバック
『自分は本当のところ何をやりたいのか?』
③自覚された態度と価値
⇒自己と雇用組織および仕事環境の規範・価値と実際との衝突
『何をやっている自分に意味や価値を感じられるのか?』

こういった点から、個人のキャリアの基軸(=不動点=anchor(錨))を知ることで、
それぞれ個人が自分らしいキャリアを選択し歩んでいくことが可能となります。

全8つのアンカーの種類は、上記の診断を参照ください。

かなこ
私は”キャリアカウンセラー”という言葉の前に、”キャリアアンカー”という言葉を知りました。
診断をしてみて、「これは!」と感じたのです。
システムエンジニアのころは「純粋な挑戦」がぶっちぎり一番の高得点でした。
ところが独立系キャリアコンサルタントとして仕事をするようになり、自由気ままに仕事をするようになって、
久しぶりに診断したところ「自律・独立が一番の高得点となりました。今自由で気ままで嬉しいので強く出ているのかもしれません。
僅差で「純粋な調整」「奉仕・社会貢献」「専門」が同得点で続きます。
やはり「純粋な挑戦」は私にとっての基軸のようです。

よく間違えやすいのは、職種とアンカーを紐づけがちというところです。
例えば「システムエンジニアだから、専門コンピタンスだ!」というのとは違います。
その仕事をしながら、自分は仕事を通してどうありたいのか?になるので、「安定」のSEもいれば、「起業家」のSEもいるのです。

このキャリアアンカーは、仕事経験を通じて発展・発達・発見するものですので、あらかじめ予測したり、社会人経験が浅いと判断することは難しいのです。
逆に、ある程度の経験を積んだ社会人にとっては、自信のキャリアに対する”こだわり”を知ることで、現実と理想のギャップを知り対処方法を考えることも出来ます。

かなこ
私は組織が定期的にこの診断を社員全員に行い、それらも参考にして所属・役割などを決めたり、
軸と違う仕事を依頼する際のリスクや、それでも遂行してもらわねばならない旨の説明やフォローが手厚く出来ることで
組織と個人との心理的契約の継続が続くのでは?と考えます。
面談に取り入れていただくというのも一つのご提案です。

キャリアサバイバル

シャインは「個人と組織の相互作用」を謳っています。
キャリアアンカーで個人の内的な面が見えた一方、その実現だけを追い続けるわけにはなかなかいかないのが組織に所属するということです。

個人のニーズと組織のニーズの両方が満たされるために、個人は自分のことだけではなく組織の中で託された役割についても理解する必要があります。
そこでシャインは「職務と役割の戦略的プランニング」というツールを開発しました。

個人が自分のキャリアアンカーに気づいて、その実現を目指して生きていくことを目指しても、今の職務の中での役割とそのダイナミックな変化を把握していないとサバイバル出来ない

という考えから生まれました。

以下、『職務と役割の分析と戦略的プランニング』の6ステップを紹介します。

  1. 現在の職務と役割を棚卸する
    ⇒エゴネットワークを描いてみる。
    上記図のように、自分と関わる人たちの関係性を描きます。自分になんらかの期待を抱くすべての人々です。
    影響の強さを線の太さや図の大きさ、近さなどで表します。このとき出来るだけ具体名を挙げるとよいでしょう。
    (例:友人 ⇒ Aさん、Bさんなど)
  2. 環境の変化を識別する
    ⇒技術・経済・政治・社会文化の4次元から職務と役割に影響を及ぼすものを分析します。
    この分析は個々人互いに刺激を与え合うことが出来るため、グループワークを行うとよいです。
  3. 環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する
    ⇒②で識別された環境に変化が起こる場合、それが利害関係者からの期待に与える影響を分析します。
  4. 職務と役割に対する影響を確認する
    ⇒③で分析した利害関係者からの期待の変化の影響が、自信の職務と役割に具体的にどのように影響するか予測し記述します。
  5. 職務要件を見直す
    ⇒④の分析結果から、自信の職務に将来求められる技能や能力、動機や価値観はどのようなものかを分析します。
    現在の自身の状況と乖離がある場合、どのような能力開発プランが必要か考えます。あるいは、職務のほうを再構築する必要がある場合は、
    それに必要なアクションをリストアップします。
  6. プランニング・エクササイズの輪を広げる
    ⇒上司・部下・同僚など自身のネットワークの中にある人々のうち、それが必要だと思われる人物に対して、ここまでのステップで行ってきたプラン人後の考え方と手順を教えます。

まとめ

シャインの理論は組織作りに非常に役に立つものです。また各診断やワークは定期的に行うことが望ましいです。
それは、あくまでも『今』のイメージであり、その後環境や役割の変化によってイメージも変化します。

かなこ
シャインの理論を学べば学ぶほど、組織との関連性が深いためか、「セルフキャリアドッグ」に紐づいてきます。
私自身が提供する企業様へのセルフキャリアドッグについては、シャインの影響が濃く出ています。

 

おまけ

①シャイン(Schein, E. H. )のキャリア・アンカーに関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

a. 起業家的創造性(entrepreneurial creativity)は、新規に自らのアイデアで起業・創業することへの願望を表す。

b. 全般管理コンピテンス(general managerial competence)は、総合的な管理職位を目指し、組織全体にわたるさまざまな経験を求めることを表す。

c. 生活様式(life style)は、仕事生活とその他の生活とのバランスを保つことを重要視する考え方を表す。

d. 純粋な挑戦(pure challenge)は、誰もしたことがないような大きな課題よりも日常的に起こる単純なことへの取り組みを求めることを表す。

 (正解:d (8-6))

②シャイン(Schein, E. H.)のキャリア・アンカーに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

a. 自分のキャリア・アンカーを知るようになるのは、キャリア初期の発達課題である。

b. キャリア・アンカーは、個人のキャリアを方向づける要因であり、欲求、価値観、性格のことを指している。

c. キャリア・アンカーとは、キャリアや職業における自己概念・セルフイメージのことである。

d. キャリア・アンカーには 8 つのタイプがあることが提示され、後には 4 つのタイプに集約された。

(正解:c (10-9))

③シャイン(Schein, E. H.)が提唱するキャリア・アンカーに関する次の記述のうち、キャリア・アンカーとして不適切なものはどれか。

a. 特定専門分野/機能別のコンピテンス(technical/functional competence)

b. 自律/独立(自由)(autonomy/independence)

c. 革新/創造性(innovation/creativity)

d. 純粋な挑戦(pure challenge)

(正解:c (12-7))

④シャイン(Schein, E. H.)が提唱する3つのサイクルの相互作用モデルに関する次の記述のうち、サイクルとして不適切なものはどれか。)

a. 生物学的・社会的サイクル

b. 人生・ライフサイクル

c. 仕事・キャリアサイクル

d. 家族関係サイクル

(正解:b (13-7)

⑤シャイン(Schein, E. H.)による、組織内キャリアについての3次元モデルに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。)

a. 第 1 の次元は「機能(職能)」の軸であり、垂直方向の移動を表す。

b. 第 2 の次元は「地位(階層)」の軸であり、水平方向の移動を表す。

c. 第 3 の次元は「中心性(部内者化)」の軸であり、水平・垂直両方の移動を表す。

d. 3 つの次元は必ずしも独立してはおらず、相互に関連している。

(正解:d (14-9)

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