保障・安定(Security/Stability:SE)
どんなアンカー?
このアンカーの方がどうしても諦めたくないと思っているものは、、、
雇用の安定
簡単にいうと「安定した給与・報酬・福利厚生、勤続」ということ。
日本のような集団主義の中では非常に多くみられるアンカーです。
アメリカとは真逆のような(私の勝手なイメージ)、組織の一員であることを
望むアンカーです。
才能に恵まれていれば、高い地位まで到達できるかもしれませんが、そもそも昇進昇格など地位には
関心が高くありません。
誰でも、持ち合わせているアンカーでもあります。
財務状況や、定年後のことなど、不安になる、、、のは保障と安定か課題ですが、
このアンカーの方々は常に保障と安全に関心を持ち、安定したキャリアを求めています。
「3.自律・独立」の人たちとは対照的です。
※自律・独立についてはこちら
主な特徴
- 組織の一員でいたい。
- 会社に対し忠誠心が高く、会社にも誠実な対応を求める。
→昇進昇格のために躍起になって頑張る、、、のではなく、そういったことは『会社が決める』と淡々としていることも。
- 組織の中で到達できる地位に関心がない。
- 保障と安定のための様々な工夫を軸にすえて、自己イメージ全体を作り上げようとしている。
- 成功した地位(自分で満足出来ればそれ以上は不要)と安定したキャリアを得て「ホッとした」感をもってはじめて
安心立命をはかることができる。
まとめ
日本人には多い、、、ですよね。
特に「安定した会社」というのは今も昔も就職の際には言われている言葉のような気がします。
昨今、「安定」は保障がありませんけど、ね。
これも時代でしょうか。
その流れに沿って、このタイプが減るのか、逆に増えるのかは分かりません。
しかしながら、マズローの欲求5段階説にもあるように、”安心”がなければさらにその上の欲求を満たそうとはなりません。
とはいえ、安心安定を満たしてそこで満足してしまう、、というのも物足りないと感じる私です。
【おまけ】カウンセリングのポイント
上記の特徴をふまえ、このアンカーの方の求めるキャリアというのは非常にわかりやすいかと思われます。
となると、安易に転職といったことは起こりにくいのではないかと考えられます。
逆に「転職を考えている」となると、職場での保障・安定が脅かされているという事象が見えているかと。
そんな方に、安易にベンチャー企業や、業績の不安定な会社を薦めるのはためらいます。
とはいえ、最近では超大手企業でも保障と安定が約束されない、という現実の中、
どうやってこのアンカーを満たしていくかというのは社会問題でもあるかもしれません。
※出典:「キャリア・カウンセリングの進め方 キャリア・アンカーの正しい使用方法」E.H.シャイン博士